釜トンネルの上高地側入り口付近で土石流が発生

土石流発生場所(釜トンネル)

土石流発生場所(釜トンネル)

土石流で1200人足止め 長野・上高地 (日本経済新聞2011/6/24)
23日午後1時ごろ、長野県松本市安曇の県道にある「釜トンネル」の出入り口付近で土石流が発生。県道につながる近くの国道158号でも土砂崩れが起き、いずれも通行できなくなった。県道は上高地に向かう唯一の道路で、松本市によると、上高地にいた観光客や旅館従業員ら約1200人が足止めされ、孤立状態になった。県警によると、けが人はない。

写真出典:産経ニュースホームページ

山にはたくさんの現場がある

恥かしながら上記ニュースを知らず、夏季休暇で25日に上高地へ出かけました。

この週は1週間天気が悪く、当初の予定を断念。雨の中のトレッキングもいいかなぁ!と思い、バスに乗っていると2箇所で道路が寸断していて仮設橋で渓流を横過。「さっすが上高地。砂防のメッカ」と呑気な気持ちでバスに揺られ、上高地の玄関、大正池に到着しました。

今思い出すと、渓流横過部では、渓床と渓岸が4m以上もあり、侵食深が非常に大きかったです。経験工学と言うべき砂防では、このような実績もしっかり調査し、今後の対策に活用していきたいものです。

大正池・河童橋上流

大正池・河童橋上流

大正池に到着。ここから明神池までの往復9kmのトレッキングです。

残念ながら焼岳は雲の中。それでも沖積錐やガリーの迫力に自然の大きさを感じます。河童橋上流では、水の透明さもさることながら、流木の多さに気づきます。どこから流出してきて、今後どうなるのか?モニタリングの方法や評価に頭をかかえます。河童橋でもそうですが、アジアからの観光客が多い。

土石流が走った跡を見つける

写真は、河童橋と明神池の中間に位置する渓流の谷出口です。

幅100m程度の沖積錐の中央部で、土石流が“走った”跡です。渓床と渓岸の比高は1.5m程で、沖積錐上で土石流は停止せずに、そのまま本川梓川へと突っ走っています。地質はジュラ紀の花崗岩で、写真でもわかるように、下流につれ粒径が大きい傾向です。

河童橋と明神池の中間に位置する渓流

河童橋と明神池の中間に位置する渓流

馬肉すきやき帰りは雨に濡れた体を温めようと、松本市の三河屋さんへ。馬肉のすき焼きが有名なお店です。少し値段がはりますが、濃い目の味付けで食べる価値ありです。卵をお忘れなく。