九州北部豪雨災害

九州北部豪雨災害

被害状況

  • 死者23名、住家被害3,408棟
  • 4時間連続100ミリ、3日間で1ヶ月の降雨、バックビルディング現象発生
  • 平成2年にも似たような土砂移動現象、同時多発的土石流発生

今回の降雨状況

7月11日から12日にかけて熊本県熊本地方や阿蘇地方、大分県西部で猛烈な雨が続き、12日午前2時から6時までの4時間連続で、時間雨量は100ミリでした。その雨量は7月の月降水量平年の570.1mを上回り、11日から13日の3日間で、1か月分の降雨に達する記録的な大雨となりました。

九州北部豪雨のアメダス

九州北部豪雨のアメダス

降雨量

降雨量

平成2年の災害との違い

今回の被災地域では、表層崩壊や崖錐面の侵食により崩壊・土石流が多発しました。平成2年の災害時の土砂移動と比べると、土砂移動の反復性や既設堰堤の効果が明らかとなりました。

土砂移動痕跡の比較

土砂移動痕跡の比較

砂防エンジニアリング社の対応

災害関連緊急砂防事業対象の抽出

緊急調査を実施し、災害関連緊急砂防事業箇所を抽出しました。

対象渓流の荒廃状況や保全対象の被災状況の調査結果をもとに事業整備優先度を検討し、抽出された箇所において、事業申請用の資料を取りまとめました。

緊急砂防事業の抽出

緊急砂防事業の抽出

ワイヤセンサ・振動センサ等の解析検討

被災箇所周辺に設置諸された各種のセンサの被災状況、稼働状況、取得されたデータの解析を実施しました。多くの箇所でワイヤセンサが切断しましたが、雨量との関係は不透明であった反面、水位計や振動センサとの相関が良いことが判明しました。

ワイヤセンサ・振動センサ等の解析検討

ワイヤセンサ・振動センサ等の解析検討

透過型堰堤の効果検証

既往災害箇所を主体に設置された透過型砂防堰堤を対象に堆積効果調査、健全度調査を実施しました。各堰堤で流木や細粒土砂の捕捉効果を実証できたほか、鋼管の顕著な破損は確認されませんでした。

透過型堰堤の効果検証

透過型堰堤の効果検証

広報資料の作成

災害概要や災害対応の状況を広報資料としてパンフレットや編集ビデオを作成し、取りまとめました。

広報資料の作成

広報資料の作成